ラプサンスーチョン
中国では「正山小種」、または「星村小種」と表記される。
福建省武夷山の桐木(トンム)で誕生したお茶である。
福建省武夷山は、茶の発祥の地であると同時に、
中国で最初に紅茶が作られた地でもある。
標高が高く、気温が低い桐木では自然の力で茶葉をしおらせたり、発酵させることは難しい。
そこで松の木を燃やし、その熱した空気で茶葉を発酵させた。
正山小種は、茶葉自体に龍眼の香りがついているが、
さらに松の煙の匂いが付いたこのお茶は、
イギリスで人気を博した。
しかし、硬水で入れると独自の香りが薄くなってしまうため、
さらに強い香りをつけることが求められた。
その結果、松の木の煙で何度も燻すことが行われ、
現在のラプサンスーチョンとなった。
正露丸のような強い香りがするが、
一度飲んだら癖になると言われ、味の濃い料理によく合う。